| 主なぶどうの病害虫
黒とう病
病原菌は結果母枝や巻ひげ等の病斑部で越冬し、4〜5月から降雨のたびに胞子を作り、新梢や新葉、巻ひげ等に感染し発病する。この新病斑が二次伝染源となり、次々に伝染を繰り返す。発病は4月下旬頃から認められるが、梅雨明け以降の高温乾燥期には一時停止する。病原菌の発育適温は25〜30℃であるが、胞子形成や発芽は20〜25℃が好適で、4〜7月に降雨が多いと多発する。
うどんこ病
伝染源は明らかでないが、枝の病斑部や芽のりん片の間に菌糸で潜在越冬すると思われる。
罹病しやすい品種はマスカット・オブ・アレキサンドリア、巨峰、ネオ・マスカットである。
第一次伝染は開花期前後に形成した分生胞子によって行なわれる。5月上・中旬頃から若い葉、枝、果実に発病し、6月下〜7月上旬に病勢が盛んになるが、その後二次伝染によって10月末まで発病が続き、地域によっては9月上〜下旬に多発することがある。
晩腐病
病原菌は結果母枝や巻びげなどで菌糸の状態で越冬する。分生胞子の形成は6月〜7月の梅雨期が最も多く、胞子は降雨によって飛散し、新梢や果房に感染する。新梢では病徴は現れずに潜伏感染する。果実では幼果期に小黒点病斑を生じる場合と無病徴感染する場合があり、小黒点病斑にっいては着色期まで病斑の拡大は見られない。無病徴感染の果実は収穫期近くになって発病し、二次感染源となる。熟果では感染3〜4日後には腐敗型病斑を形成し、鮭肉色で粘質の分生胞子塊を生じる。また、開花前の花蕾に発病した本病も感染源として重要とされている。
べと病
病原菌は被害葉組織内に卵胞子で越冬する。翌春に被害葉が腐ると卵胞子が地面に現われて発芽し、分生胞子を作りさらに遊走子を生じて新梢などの組織に侵入し発病する。病原菌の活動には20〜24℃が最適温度条件である。展葉初期〜梅雨期、また秋季に低温で雨が多い場合に多発しやすい。なお、夏期高温時にも展葉中の若い葉があれば感染発病する。
露地栽培でも発病するが多湿なハウス栽培では、特に発病が多い。
灰色かび病
病原菌は多種類の作物、野菜、特に果菜類を侵し、広範囲に寄生する。ぶどうでは花穂、葉、熟果を侵し、特に開花期前後の花穂に発病が多い。病斑上に多数の分生胞子を作り次々と若い組織を侵し二次伝染をくり返す。施設野菜などの栽培が多い地域では病原菌の密度が高いこともあって一般に発病が多い。
ブドウトラカミキリ
成虫は8月下旬〜9月上旬をピークに、7月下旬〜10月上旬の長期間にわたって発生する。卵は主に芽の鱗苞の間隙に産下され、平均6日の卵期を経てふ化する。ふ化幼虫は初めは芽の周辺をわずかに食害する程度であるが、しだいに樹皮下を食害進展し、11月頃からは木質部までせん孔するようになる。
コガネムシ類
ぶどうを加害するコガネムシ類として数種のものが知られている。成虫の飛来食害時期は種類により多少異なっており、マメコガネは5月〜7月、ドウガネブイブイは6月〜8月、ヒメコガネは6月〜9月、アオドウガネは7月〜9月に主として見られる。通常年1回の発生で、土中で幼虫越冬する。成虫は園外から飛来するため、園の周辺部に発生が多い傾向にあるので、その部分での早期発見に努め、被害が進まないうちに適宜防除する。
チヤノキイロアザミウマ
年10回以上発生する。主として粗皮間隙や地表面および枯葉内で成虫態又は蛹態で越冬する。
チャ、サザンカ、ツバキ、マサキ等多くの植物に寄生し繁殖する。各種寄生植物で増殖した第2世代成虫が5月中句の開花期ごろからぶどうに移動して加害する。
ハダニ
施設やトンネル栽培園など雨がかからないぶどう園で多くなっている。ぶどうに対する寄生性が低いので、被覆しない露地のぶどうでは問題とならない。発生時期は、作型や加温時期により異なるので、発生に注意して加害初期に防除する。なお、園内にマメ類等の間作をしていると発生が多くなる傾向にある。
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